モノトーンの世界が素敵な魂偶たちでありました。
拾わなければ朽ち果てて忘れられそうな木々たちにまでも、丁寧に墨やアクリルを塗りそのひとつひとつの木々たちが寄り添うように真鍮でつなぎ、齊籐博さんの魂偶が生まれます。
空間の中で夕刻から夜の灯りに照らされる頃には壁に映し出される魂偶のシルエットは、まるで木々の精霊たちが語りかけてくれているようにも見えるのです。
新作の額は、格子戸を思わせるようなものでポストカードを挟むとちょっとオシャレです。
ブローチ掛けの額もありました。齊籐博さんが創った楽器に見立てたようなブローチたちとの一体感で絵や彫刻を見ているようでした。
開期中のお客さまはとても少なく、そのまま開期を終えるのはもったいない気分も、、、。
ひょうきんな話題を持ちかけては人を笑わせている齊籐博さんですが、魂偶たちに密かなメッセージを注ぎ込んでいるような飄々とした作品は飽きることない創作力で見る側の姿勢を受け止めてくれているのかもしれません。